相談事例
CASE
2014.7 担当者 の回答
株式会社は株主総会の決議により解散します。解散とは「株主の同意を得て、事業をやめることを会社の意思で決めること」ですが、会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過していると、その会社は休眠会社とみなされ、実際には会社はまだ営業して存続していても、会社が知らないうちにいつの間にか会社が解散させられていることがあります。これを「みなし解散」といいます。
このような「みなし解散」は、まず法務大臣から休眠会社に対し、2ヶ月以内に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨の官報公告がなされ、その後、法務局から当該会社に対し公告がなされた旨の通知がされます。2ヶ月を経過しても会社からの届出がなければ、会社は解散されたものとみなされ、登記官の職権により解散登記がなされます。
そもそも商業登記の目的は、会社の重要事項(会社名、本店所在地、役員、事業の目的等)を公開することで取引が安全かつ円滑にできるようにするためです。この目的を維持するため、会社の代表者には登記申請が義務付けられています。このような義務があるにもかかわらず、12年間も全く登記をしていない会社は事業を行っていないものと考えられ、そのような会社の商業登記や会社自体が悪用され、取引の安全が害されることを阻止するため、実体を失っている会社は登記上整理されるのです。
なぜ12年間と設定されているのでしょうか?株式会社の役員の任期は最長でも10年で、任期が満了したら改めて役員選任の登記をしなければなりません。従って、最長でも10年に一回は必ず登記をしなければならず、12年間登記をしていないということは、少なくとも2年間は登記を怠っているということになるからです。
また、前述した法務局からの通知は、登記簿上の本店所在地になされるので、本店移転や住居表示が変わったにもかかわらず登記をしていなかった場合、会社には届きません。子会社や関連会社が沢山ある会社は見落としにご注意下さい。
解散とみなされてしまった会社は、その後3年以内に限り、株主総会の特別決議により株式会社を継続することはできますが、複雑な登記手続きと登記懈怠に伴う罰金が待っています。
今一度、会社の登記状況をご確認頂き、ご相談ください。