相談事例
CASE
2009.1(2019.4修正) 担当者 の回答
日本の企業が日本で暮らしている外国人を雇用する場合、まず初めにその外国人の在留資格と在留期限を在留カードで確認する必要があります。
現在、日本の入管法上の在留資格は全部で30種類あります。しかし、日本で働いて収入を得ることができる在留資格はそれらの中の一部だけです。そして、忘れてはならないことは、日本では原則として外国人は単純労働をすることはできません。日本人ではなく外国人でしかできない能力が求められます。
通常、「就労ビザ」「ワーキング・ビザ」と呼ばれる在留資格は、「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「高度専門職」「技能」「介護」「技能実習」「特定技能」「興行」「教育」「医療」「研究」「法律・会計事務」「外交」「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」です。これらの資格は就労が認められますが、通訳や貿易業務、エンジニアは「技術・人文知識・国際業務」、コックさんは「技能」、芸術関係の仕事なら「芸術」といった具合に、その活動は資格ごとに特定・制限されています。
専門学校のホテル科を卒業し、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格でホテルで働いていた人は、同じ在留資格でも商社で貿易業務をすることはできません(専門学校での専攻と関連性がないため)。既に日本に在留している外国人を採用される場合は、在留期限が残っていても、事前に出入国在留管理庁で就労資格証明書を取って来てもらうと安心です。
「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」といった在留資格の場合、日本人と同じように単純労働を含めどんな職業にでも就くことができ、自分で会社や店を経営することも可能です。
具体的には、永住権を取った人やその配偶者や子供、日本人と結婚した人や日本人の実子、日系人(中国残留孤児やその子孫、日系ブラジル人)などです。これらの在留資格を持つ人たちは日本で働く際に職種を限定されないため、多くの外国人がこの「就労制限を受けない在留資格」を希望します。その結果 偽装結婚や偽日系人などが出てくる原因にもなっています。
逆に、「留学」(大学生や大学院生、専門学校生などの留学生、日本語学校の学生等)、「家族滞在」(就労ビザを持つ外国人の家族として在留を認められている人たち)、「文化活動」(日本文化の研究者等)、「短期滞在」(観光や会議参加、商用のために日本へ短期で来ている人たち)という在留資格は、原則として日本で働いて収入を得ることはできません。しかし、留学生や家族滞在者などは、「資格外活動許可」を出入国在留管理庁から得ることにより、一定期間、一定の時間内であればアルバイトをすることができます(但し、風俗営業関係のアルバイトは不可)。
なお、留学生が卒業後、企業に就職して働く場合、「留学」の在留資格のままでは正式に働くことは許されず、管轄する出入国在留管理庁に対し、在留資格変更許可申請をして就労可能な在留資格へ変更する必要があります。