相談事例
CASE
2018.1 松尾 の回答
法定利率が固定制から変動制に変わります。
お金の貸し借りにおいて利率を定めずに利息を支払う旨の合意をした場合や金銭債務の不履行による損害賠償の請求において、遅延損害金を算定する場合に約定利率の定めがない場合には、民法404条が定める法定利率が適用されます。
現行民法では、この法定利率は年5%の固定利率です。しかし、5%の固定利率が、現在の市場金利と乖離しており、高すぎるという認識が広くありました。そこで、改正民法では、市場金利等を考慮して法定利率を変動する仕組み(変動制)が採用されることになりました。
新しい民法では、固定制をやめて、法定利率を当初年3%と定め、その後は3年毎に利率を見直す変動制になります。ただ、個別案件においては、最初の法定利率が適用されることになり、仮にその後に法定利率が変動したとしても、適用される法定利率は変動することはありません。この点については、実務上の負担が過大にならないよう考慮されています。
また、この変動制は商取引の場面においても適用されることから、年6%の商事法定利率(商法514条)は廃止され、法定利率は一本化されて、わかりやすくなります。