相談事例
CASE
2016.1 担当者 の回答
会社や法人(以下、「会社等」といいます。)の登記事項証明書や印鑑証明書を見ると会社法人等番号が記載されています。この会社法人等番号は、会社等を識別するために付される12桁の番号のことです。会社等が当事者となって不動産登記を申請する場合、従来は「代表者の資格を証する情報」として登記事項証明書(履歴事項証明書、現在事項証明書または代表者事項証明書)を添付していましたが、2015年(平成27年)11月2日から、これらに代えて会社法人等番号を提供することになりました。ただし、作成後1か月以内の登記事項証明書を添付した場合には、会社法人等番号の提供に代えることができます。従来添付していた登記事項証明書は、登記が完了すれば原本を返却してもらえますが、取得するには法務局で手数料を支払う必要があるため、今回の取扱いの変更によって手数料を節約することができます。ちなみにマイナンバー制度により会社等に付される法人番号は、会社法人等番号の前に1桁の数字を付したものですが、不動産登記で提供するのは会社法人等番号ですので、ご注意ください。
しかし、会社等が会社法人等番号を提供して不動産登記を申請する際に、ご注意いただきたいことがあります。不動産登記を申請した時点で、当該会社等について何らかの商業法人登記(役員変更、目的変更など)が申請中である場合、不動産登記の申請は受け付けられますが、当該商業法人登記が完了するまでは、不動産登記は処理されないということです。つまり、当該商業法人登記が完了してから不動産登記の処理が始まりますので、通常よりも不動産登記完了までの日数が余計にかかってしまいます。この場合は、作成後1か月以内の登記事項証明書を添付すれば、商業法人登記の完了にかかわらず、不動産登記は処理されます。
従って、当事務所に不動産登記を依頼された会社様や法人様が、同じ時期に商業法人登記を予定されている場合、その旨を当事務所までご一報ください。場合によっては作成後1か月以内の登記事項証明書を添付することも検討いたします。
なお、これまでの代表者の資格を証する情報として添付していた登記事項証明書は、期間制限が作成後3か月以内でしたが、現在は作成後1か月以内のものに短縮されていますので、ご注意ください。
なお、従来から、不動産登記を申請する登記所と当該会社等の商業法人登記を取扱う登記所が同一であるときなどの一定の場合には、代表者の資格を証する登記事項証明書の添付の省略が可能でしたが、この取扱いは2015年(平成27年)10月30日で廃止されました。
また、会社等の代表者の印鑑証明書については、従来どおり作成後3か月以内のもので変更はありません。